松崎宿に現存する「油屋」は江戸時代の旅籠建築の姿を残しており、その年代は18世紀に遡ります。旅籠建築としては非常に大型で、松崎宿の中でも大名を泊める本陣・脇本陣に次ぐ扱いを受けていたと推定されています。幕末?明治以降には、「主屋」部分と「角座敷」部分はそれぞれ独立し、2軒の旅籠「油屋」「中油屋」となり、現在の形のようになりました。昭和初期まで、旅人宿・料亭として経営が続けられ、その後は芝居小屋や食堂などとして使用されてきました。西郷隆盛が「油屋」に宿泊したという言い伝えが残っているほか、乃木希典が昼食をとったことが、その手記から明らかになっています。
大板井駅より徒歩10分
関連HP:おごおり歳時記